床面の一部に高さを変えた部分を持たせた構造のことで、空間の中にさまざまな段差を設けることで、より快適な間取りを実現することができます。
限られた敷地を活かし、デッドスペースを極限まで減らすことができ、縦の空間を有効活用させる方法であるため、バリアフリーとは真逆の手段とされています。
空間の有効活用ができる
段差が生まれることで、扉や壁を設置しなくても、自然と仕切りが生まれます。デッドスペースを最小限に抑え、独立した空間にすることができます。廊下を作らずに済むことで、収納スペースが生まれるというメリットもあります。
天井が高く開放感がある
天井を高くすることができ、リビングに開放感を持たせることができます。一般的には、「天井が高い」=「吹き抜け」というイメージがありますが、吹き抜けの場合、開放感こそあるものの、空調が効きにくいというデメリットがあります。スキップフロアの場合には、縦に生まれる短い段差が空間を繋いでいるため、デメリットを払しょくしながら、高い天井を実現できます。
収納できる場所が増える
床の高さをずらしたことによって、一階の床との間に新たな空間ができて、そこを収納スペースにすることができます。間取りをコンパクトに抑えた場合、十分に収納スペースを取れないことがありますが、スキップフロアを取り入れることでその問題を解決することができる場合があります。
+αの空間を作れる
均一な平面と壁で構成された一般的な住宅より空間の広がりを感じさせる効果があります。広いだけのリビングとはまた違う、秘密基地的な空間や書斎や子供たちの遊び場所に最適です。普通のおうちにはない+αの空間が生活をより豊かにしてくれます。
光を効果的に取り込める
段差を上手く活用し、窓を設置することで、陽当たりや風通しの良い住宅が作れます。
家族の気配を感じられる
スキップフロアが生み出す床の高さの違いは、人の視線の通りやすさにも影響します。例えば、スキップフロアからリビング空間、キッチンからスキップフロアなど、どこにいても家族がお互い何をしているのか見守ることができます。
生活動線を短縮できる
階段の上り下りはあるものの、部屋や廊下の仕切り・壁は使用しません。そのため開放的な空間の中で、生活動線を遮らず、なおかつ短縮することができます。
◆スキップフロアを計画する注意点◆
〈完成イメージがしづらい〉間取りを考える際、平面図で考える場合が多いですが、 スキップフロアは立体的な空間のイメージも必要になります。 3Dパースなどで施工業者と完成イメージを近付けていくことが大切です。
〈間取りに工夫が必要〉どのような使い方をするのかを明確にしてから間取りを決めていかないと、 うまく活用できずただの物置空間になってしまうかもしれません。 それを防ぐためにも、実際の施工事例を見ながら生活のイメージを膨らませていく事をお勧めします。
〈掃除〉フロアが高さによって細かく区切られてしまうことによって、 掃除機がかけづらくなったり、お掃除ロボットが使えなかったりする難点があります。
〈コスト増〉スキップフロアにすることで家の構造が複雑になり、その分建築コストが多くかかってくる場合があります。階段の中間にスキップフロアを作る場合はある程度開けた空間が必要になるため、 壁を強くしたり、梁を大きくしたりしなければならないので材料費が増す場合があります。
~まとめ ~
スキップフロアは、扱いが難しい間取りではありますが、使い方次第ではおうちづくりの可能性が広がり、 狭くても他にはないおしゃれ空間に仕上げることができます。新築住宅をお考えの方は是非スキップフロアもご検討してみてください。