2024年年末で終了した「子育てエコホーム支援事業」の後継となる支援事業が2025年度の「子育てグリーン支援事業」であり、これまでより省エネ性能が高い新築住宅の建築には最大160万円の補助金を支援。今まで子育て世帯や若者夫婦世帯に手厚い内容でしたが、今年度はすべての世帯が対象の「GX志向型住宅」が追加されました。新築住宅においては「GX志向型住宅」「長期優良住宅」「ZEH水準住宅」の3つが対象になります。また、子育てグリーン支援事業のリフォームについても詳しく解説します。
■子育てグリーン支援事業とは
【制度の目的】2050年カーボンニュートラルの実現に向け、新築住宅について、エネルギー価格の高騰の影響を特に受けやすい子育て世帯や若者夫婦世帯に対して、「ZEH基準の水準を大きく上回る省エネ住宅」の導入や、2030年までの「新築住宅のZEH基準の水準の省エネルギー性能確保」の義務化に向けた裾野の広い支援を行うとともに、既存住宅について省エネ改修等への支援を行う。
■GX志向型住宅(対象:すべての世帯)
GX志向型住宅とは、グリーントランスフォーメーション(GX※)の考え方を取り入れた次世代型の住居であり、ZEH基準の水準を大きく上回る省エネ性能を有する脱炭素志向型住宅です。
※GXとはグリーントランスフォーメーションの略称で、温室効果ガスの排出を削減するための取り組みのこと。
◆高度エネルギーマネジメントの導入について
GX志向型住宅の補助要件として「高度エネルギーマネジメントの導入」がありますが、具体的には、住宅(戸建)に、「ECHONET Lite AIF仕様」に対応する「コントローラ」として、一般社団法人エコーネットコンソーシアムのホームページに掲載されている製品を設置することが条件です。
参考資料としてHEMS「コントローラ」の製品一覧を掲載しています。詳しくはこちら
◇◆HEMSコントローラの設置要件◆◇
【交付申請(予約を含む)時】設置予定の「コントローラ」が掲載されている一般社団法人エコーネットコンソーシアムのホームページをご参照ください。
【完了報告時】対象の新築住宅に設置した「コントローラ」の製品型番が記載されたメーカー発行の保証書等。
なお、完了報告時に要件を満たすHEMSコントローラの設置が確認できない場合、交付決定は取り消されます。
◆GX志向型住宅の注意点
北海道は寒冷地に該当するため、再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量の削減率は75%以上で、他の100%の地域より緩くなっています。GX志向型住宅は、断熱等性能等級6以上と一次エネルギー消費量の削減率、HEMSコントローラの設置等すべての要件を満たしていることが条件です。
■長期優良住宅 補助額80万円
長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられている住宅で、地方公共団体にて認定を受けた住宅。
・断熱等性能等級「5以上」
・一次エネルギー消費量等級「6以上」
・古家の除去を伴う場合は20万円の加算。
■ZEH水準住宅 補助額40万円
断熱性能の強化と高効率設備の導入により、快適な住環境を維持しながら省エネルギーな暮らしを実現する住宅。
・断熱等性能等級「5以上」
・再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量の削減率「20%以上」
・古家の除去を伴う場合は20万円の加算。
◇◆共通要件◆◇
GX志向型住宅・長期優良住宅・ZEH水準住宅の補助が対象
【床面積】50㎡以上240㎡以下の住宅。
【対象工事の着手期間】2024年11月22日以降に基礎工事より後の工程の工事に着手したもの。
【交付申請手続き】子育てグリーン支援事業の事務局に登録している住宅事業者。
【交付申請の予約期間】申請受付開始~予算上限に達するまで。遅くとも2025年11月14日まで
【交付申請期間】申請受付開始~予算上限に達するまで。遅くとも2025年12月31日まで。
【完了報告期間】交付決定~2026年7月31日
子育てグリーン支援事業の既存住宅の省エネ改修は、すべての世帯が対象でリフォーム内容に応じて補助を行う。必須工事①~③のうち2つ以上のカテゴリーを実施する場合が補助の対象
■必須工事 上限60万円または40万円
【Sタイプ上限60万円/戸】必須工事①~③のすべてのカテゴリーを実施
【Aタイプ上限40万円/戸】必須工事①~③のうち、いずれか2つのカテゴリーを実施
■任意工事
カテゴリー④~⑧の任意工事は必須工事①~③のうち2つ以上のカテゴリーのリフォーム工事を行った上で実施し、交付申請時にあわせて申請する場合のみ補助の対象となります。また、1申請当たりの補助額の合計が5万円以上である必要があります。なお、申請する際には対象工事に関する証明書等が必要になります。補助額は工事内容や設備・性能によって決められているので注意が必要です。
◇◆リフォーム共通要件◆◇
【対象工事の着手期間】2024年11月22日~交付申請まで(遅くとも2025年12月31日)
【交付申請の予約】申請受付開始~予算上限に達するまで(遅くとも2025年11月14日まで)
【交付申請】申請受付開始~予算上限に達するまで(遅くとも2025年12月31日まで)
既存住宅の省エネリフォームは、下記の事業と併用できます。なお、各事業を組み合わせて「住宅省エネ2025キャンペーン」を利用する場合は、ワンストップの一括申請が可能です。
①高断熱窓の設置【先進的窓リノベ2025事業:環境省】
②高効率給湯器の設置【給湯省エネ2025事業:経済産業省】
③開口部・躯体住宅の省エネ改修工事【子育てグリーン支援事業:国土交通省】
■まとめ
子育てグリーン支援事業では、家庭部門の省エネを強力に推進するため、住宅の断熱性の向上に資する措置や高効率給湯器の導入など、新築住宅の省エネ化や既存住宅の省エネリフォームへの支援に重点がおかれています。また、昨年度から比べると長期優良住宅の補助金は100万円から80万円に、ZEH水準住宅は80万円から40万円にそれぞれ減額となりました。補助金の諸条件や予算的なことが可能であるなら、「GX志向型住宅」の補助金160万円を検討されてみてはいかがでしょうか?ただし、国の補助金制度には申請期限や予算上限が設定されているので、新築やリフォームを検討されている方は早めに行動することをおすすめします。
おうちの相談窓口では、補助金制度を活かした新築・リフォームのご相談を承っております。これから家づくりをはじめる方は、いつでもお気軽にご相談ください。